ワンチップマイコンはI/Oがピンに直接出ているため、単独でも回路図に従ったシーケンス動作をさせる事が出来ますが、電流容量の問題と入出力の負荷側から来るノイズを考えると、入力側にはフォトアイソレート、出力側には電流増幅用のトランジスタ・アレーを接続した方が多くの場合、より安定した動作が得られます。
その接続は極めて簡単でまた安価にできますので、下記を参照して回路を組んで下さい(以下は主としてPICの場合の例ですが、他のCPUにも簡単に応用出来ます)。
入力アイソレートの方法
●外部?は外部電源を表し、内部?はCPUのVDD(5V)、VSS(0V)と共通の電源を表します。
●抵抗値は目安で大体の値です。
外部電源電圧 | 5V | 470Ω |
12V | 1.2KΩ | |
24V | 2.4KΩ |
● フォトカプラは各種類が売り出されています。
TLP521(東芝)は本例の1素子内臓(4ピン)の他、2素子(8ピン)、4素子(16ピン)各内臓のものがあります。
入力アイソレートをしない場合
● プールアップについては、4.7KΩ~20KΩが適当です。
● PICのRBポートについては、<CPU設置>で[プルアップ]にチェックを入れると弱いプルアップが内部で付加されます。
出力増幅の方法
PICの場合のI/Oピンの電流容量をおおよそ以下のようになっています。
機能 | PIC16F84 | PIC16F877 | PIC16F876 |
全ピン吐出し合計 | 100mA | 250mA | |
全ピン吸込み合計 | 150mA | 300mA | |
各ポート合計 | 50~150mA | 200mA | |
1ピン吐出し | 20mA | 25mA | |
1ピン吸込み | 25mA | 25mA |
上表の範囲内であればCPUから直接負荷を駆動できますが、多くの場合トランジスタアレー等で一度電流を増幅して使用したほうが、ノイズ対策の面から考えても無難です。
● トランジスタアレーでリレーを駆動すれば、その接点を利用してCPUと負荷を完全にアイソレートできますが、トランジスタアレーで直接負荷を駆動しても多くの場合安定した動作をします。入出力ともアイソレートが必要かどうかは負荷の発生するノイズの大きさにより決ります。
● トランジスタアレーは各種類があります。
TD62004は7素子で、TD62083は8素子です。
いずれも、上図のように左側の若い番号のピンと対面する右側のピンで各々入力と出力になります。
出力増幅をしない場合
● 「連枝」(れんり)は出力は正論理、入力は負論理です。
● LEDは、例としての負荷で容量以内なら何でもかまいません。
発振子
PIC16F628やPIC12F629のように発振子を内臓するもの以外は、発振子を上図のように接続します。
リセットピンの処理
PIC16F84、PIC12F629のようにリセット機能を内蔵しているもの意外は、リセットピンを5Vにプルアップする必要があります。
●この他、リセット用素子(PST573等)を使用する方法もあります。