リレー回路(またはシーケンス回路)の基本とは一体何でしようか?
リレー回路は簡単なパーツの組み合わせで動作していますが、熟練してくると複雑な回路でも、誰でも明快に理解できる様な回路が組めるようになり、非常に奥行きの深いものです。
リレー回路の基本中の基本に自己保持回路があります。
まず自己保持回路について学びます。
その前にリレー回路とは下図(1図)のようなものです。
1図
両端の黄色の縦線には100vの電圧が加えられています。
従って左上のX00の押しボタンを押せば、リレーM1に100vが加わり、左下の接点M1がオンとなり、出力Y00に100vが加わります。(出力Y00が電球なら、100vの電球が点灯することになります)
そのX00押しボタンを押した状態が下図(2図)です。
(「連枝」では、押し釦の上をクリックすると押し釦がオンし、電気が通ると電線が黄色に変わります)。
2図
上図回路の問題は、押しボタンを離すとX00がオフになってM1がオフになり、
M1接点がオフなってY00がオフになってしまい、最初の画面に戻り、Y00がオフして(電球が消えて)しまう事です。
(「連枝」(れんり)では、押し釦の下をクリックすると押し釦がオフします)。
自己保持回路
そこで回路を下図(3図)のように変えます。
3図
この回路では押しボタンを押すと、下図(4図)のような電気の流れ(黄色への変化)になります。
4図
このあと押しボタンを離しても下図(5図)のようにM1への電気の流れが続きます。
一旦、押しボタンによってオンしたM1の接点自身がM1に電圧を加え続けることになるからです。これを自己保持と言い、この(1、2段の)回路を自己保持回路と言います(記憶回路の一種です)。
5図
これによって、出力Y00はオン(電球は点灯)し続けるわけです。
出力Y00をオフするには、下図(6図)のようにX02を一回押せば良く、この動作を自己保持解除と言います。
6図
このあと、X02を離して5図のようにオンになっても、すでにM1接点はオフしているため、M1リレーはオンせず(オフを保ち)、3図に戻ります。
- この自己保持回路こそが、リレー回路で最も難解(?)で、唯一覚えなくてはいけない回路です。(あとは接点の動きと、電気の流れを追って行くだけです)。
- リレー回路はこれだけで、アセンブラやC言語を使用したソフトととそれほど差のない機能を追及できるのです。
- マイコンのソフトの学習と比較して驚くべき簡単さではありませんか?
科学理論では、”単純さ”こそ貴いのではないでしょうか?
「連枝」(れんり)では以下の回路を、パソコンの画面上に書いて[コンパイル]をクリックするだけで、押しボタンX00を押すとY00に接続されたLEDが点灯し、押しボタンX02によって消灯するマイコン基板の回路のソフトが出来上がります。